全く個人的な嗜好で申し訳ないが、好きな画家を言ってごらんと言われたら、ボクは躊躇なく1番にエゴン・シーレ(Egon Schiele/1890〜1918)を名指しする。
ものの弾みにあと3人選ぶとするとオディロン・ルドン(Odilon Redon/1840〜1916)、サム・フランシス(Sam Francis/1923〜1994)、フリーデンスライヒ・フンデルトワッサー(Friedensreich Hundertwasser/1928〜2000)ということになろうか。
さて、シーレネタなどと口が滑ってみたものの、だがしかし、あくまでもここは「夜ごとの美女」、シーレにゆかりの美女でなければ趣旨に反する・・・と言うわけで、シーレをシーレたらしめた運命の女、年がずっと離れた友人でもある絵の先輩グスタフ・クリムト(Gustav Klimt/1862〜1918)から譲り受けた(?!)モデル、ヴァリー・ノイツィル降臨!であります。
ところでシーレの写真は数多残されているが、肝心のヴァリーの写真はほとんどなくて、仕方がないのでシーレが彼女をモデルにして描いた絵から想像の翼を拡げて、ヴァリーの人となりをイメージすることにしよう・・・。
[モンパルナスのキキ]

ヴァリーはシーレの絵のモデルでもあり恋人でもあったわけだが、シーレが後に結婚するエディットに心が移ったのを察してシーレのもとを去ってゆく。
このヴァリーを描いた最後の作品「死と乙女」(1915)はシーレのヴァリーに対する罪の意識が色濃く反映され、自身の投影と思われる男の顔は暗くどんよりしている。

因みにクリムトはヴァリーをこんな風に描いていた・・・。