ここへきてやっとDVDで溝口健二を堪能することができるようになったわけだが、覚えているようでいて実は記憶があいまいな森鴎外原作の「山椒大夫」を今宵は選んでみた。
で、今更ながら香川京子(1931〜)の凄さを実感した次第。
この作品の中では田中絹代はおいとくとして、憎々しさの権化、山椒大夫を演じたこれぞ敵役の鏡・進藤英太郎と成長したリリシズムな安寿役の香川京子の演技が双璧!
フィルムの状態もよく、モノクロームの深みのある映像がこれまた素晴らしい!!

現実の厳しさにいつしか慈悲の心をなくした兄・厨子王に心を痛める健気な妹・安寿・・・

佐渡に遊女として売られていった母が我が子を思い歌ったとおぼしき唄に聴き入る安寿・・・

病気で働けなくなった仲間を姥棄てにい行くことになり・・・

逃げ出す決意をした厨子王に策を与える安寿・・・

厨子王の逃亡の時間稼ぎをする安寿・・・

厨子王をかばって入水自殺する安寿・・・
この静謐なシーンが素晴らしい・・・