日本のジャズ・シンガー、akikoの2ヵ月連続リリース・アルバム・第1弾と銘打ったCD「What's Jazz ?-STYLE-」の中に、アレックス・ノースが書いた“スパルタカス~愛のテーマ”が入っていて、それをたまたま耳にし、コレは何かの縁と、未見の映画「スパルタカス」をついに観ることにした。別にこの映画、避けていたわけではないのだが・・・。主演のカーク・ダグラスが自らのプロダクションで制作し主演したワンマン映画で、当初アンソニー・マン監督でクランクインしたものの、途中降板。その後釜にとカーク・ダグラスにより白羽の矢を立てられたのが若きスタンリー・キューブリックだった。しかし、ことはキューブリックの思惑通りには行かなかったようで、彼は死ぬまでこの映画を自分の作品とは認めなかった。とは言うものの、この映画の成功をきっかけにキューブリックは有名監督の仲間入りを果たしたわけだが・・・。いずれにせよキューブリックは曲者、カーク・ダグラスには「キューブリックは才能あるクソッタレだ!」と言われたそうだが、どっちもどっちと言う気がしないでもない。
さて肝心の作品の方は、やはりくさっても(?!)キューブリック!3時間を超える長丁場をスペクタクルシーンはもちろんのこと、スパルタカス(カーク・ダグラス)と今宵の美女、ジーン・シモンズ演じるバリニアとのロマンスや男たちの確執を高密度で魅せてくれる。ローレンス・オリビエ、チャールズ・ロートン、ピーター・ユスティノフ、それに勿論カーク・ダグラスといった大物男優を向こうに回し、我がジーン・シモンズは円熟の、しかも当時としては体当たり(?)な演技で気を吐いている!