ボクがかつて映画青年もどきだった頃、パゾリーニは避けて通れない必須科目だったけど、そのためにイタリア語恐怖症を発症し、イタリア映画を全く観なかった時期があった。その後カトリーヌ・スパークのおかげで克服することができたわけだが、そのパゾリーニがイエスの生涯を描いた「奇跡の丘」(Il Vangelo Secondo Matteo)でイノセントなサロメに出会った。
この映画の出演者は全て素人で、もちろんサロメを演じたパオラ・テディスコ(1952〜)も同様だったけど、その後30歳ぐらいまで彼女は女優を続けたみたいだ。
サロメを巡る冒険の、これは当然の成り行きというべきか、ドイツのゴシックあるいはシンフォニック・メタルバンド、キサンドリアのタイトルがそのものずばりな「Salome The Seventh Veil」に出会ってしまった。これはもしかしたら運命的な出会いかもと、恐る恐る聴いてみたらこれがなかなかいけてて、ちょっと癖になってしまったわけ。(って、何でもすぐに癖になるたちだけど・・・)
メンバーの紅一点、リサ嬢のちょっと儚げで透明感のあるヴォーカルがゴシックメタルという強面のイメージからは遠く離れてゆらゆらと心地良い。